理想の男の生き様を描いた傑作 重松清『とんび』
- 作者: 重松清
- 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
- 発売日: 2011/10/25
- メディア: 文庫
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一昨日、重松清さんの小説「とんび」を買いました。
現在読んでる途中ですが....
購入のきっかけは、ドラマの方を見て涙が止まらなくなったから。
高校時代に日曜劇場で放送されたことがあって、内野聖陽さんが主人公の「ヤス」佐藤健さんがヤスの一人息子の「アキラ」を演じてました。
あの頃は、内野さんの演技を見て、「暑苦しいおっさんだな」とチャンネルを変えて
しまいましたが大人になってから見てみると内野さんが演じる「ヤスさん」の人柄が
かっこよくて...かっこよくて...
ヤスさんは、広島の運送業者で働く不器用な頑固者。
息子のアキラが幼い頃に仕事場の事故で妻の美佐子を亡くし、男手ひとつでアキラを懸命に育てていくわけなんですが、
ヤスさんは、不器用だから中々自分の本当の気持ち、本当に言いたい事が
中々口に出せないんです。
行動も自分の想いとは裏腹になってしまう。
それで、周りからいつも誤解されてしまう。
あとあと一人で、寂しいような、「なんでいっつも俺はこうなんだ!」っていうヤスの表情がもう、人間臭いというか、すごい温かさがあるんですね。
内野さんの演技力には、本当に感銘をうけますが、
でも、いくら周りから誤解されても息子のアキラには届いている。
父親の言いたい事、本当の気持ちが分かっている。
「親子だから分かることがある」
そんな二人の姿に毎回毎回、温かさで視聴者も読者もいっぱいにさせられて、号泣の
嵐ですよ!
あんまり泣かせんじゃねーよ、よそでやってくれよ! ってなりますよ(笑)
「不器用」って、なんか良くないイメージで持たれやすいじゃないですか。
損した気分になったり、直した方がいいのかなぁ...ってね。
でも、ヤスさんの姿をみて初めて
「あっ、不器用ってこんなにもかっこよくて素敵ななんだ。」
不器用って悪くないし、直さなくてもいいんだ、って思えてきます。
特に一番感動できる箇所、僕のココイチは、アキラが東京の雑誌の編集社の
入社試験で書いた作文を、ヤスが読ませて貰えるときがあるんですね。
アキラの書いた作文
「嘘と真実」
この内容が一番泣けます。ヤスさんと一緒にアキラの作文を読みたい人は
小説:重松清「とんび」をぜひ手にとってみてください。